外国だけではなく、今や和食文化の日本の中にも当然になったカトラリーの存在ですが、それでもまだまだ上手に扱えないということがありますよね。
スイーツを食べたりする時にフォークをちょっと使ったり、ステーキを切り分けたりしますが、フォーマルな場で洋食をいただく時は緊張しがちです。
そこでカトラリーとそのマナーをより身近に、親しみが持てるように、歴史などについてのお話をまとめました。

昔の貴族はナイフとフォークを使わなかった!?

現代ではマナーがしっかりと確立・定義されているカトラリーですが、昔は貴族でさえも使っていない道具でした。
19世紀ごろにはナイフやフォークの存在が確立しましたが、中世(5世紀から15世紀)の食事は皿とナイフとスプーンのみで、切り分けた食事は手づかみで食べていたのです。
先に紹介したように、これは貴族も同じで、手が汚れるとテーブルクロスで拭いていたそうです。
しかし、15世紀過ぎにフランスの王がイタリアのメディチ家のカトリーヌと結婚したことで、テーブルマナーにある変化があらわれます。
それが、彼女が嫁ぎ先へ連れてきた料理長の存在です。
料理長は当時のフランス王室の食事マナーの悪さに大変驚いたそうで、これを機に食事マナーを一冊の本にまとめています。
現代では、フレンチのコース料理では、食事が一品ずつ運ばれてくるのが当たり前ですが、当時は食卓テーブルにたくさんの料理が一度に運び込まれてくるなど、まったく逆の状態だったのですね。
カトリーヌお付きの料理長の出したテーブルマナーの本は、その後もヨーロッパ周辺の国へと影響を与えていくことになります。

貴族の毒殺計画は、銀食器で防がれる

中世における銀食器は、テーブルマナーとして確立されただけではなく、継承問題絡みで貴族を暗殺から守る役目も果たしていました。
当時貴族へ毒殺が行われる場合、長期にわたって料理にヒ素を盛ることで、病死に見せかけて殺してしまうことがありました。
しかし、中世に作られるヒ素の精製技術は未熟だったため、硫黄の成分が残りやすく、この硫黄が銀食器と反応し、毒が混入しているかどうかの判別に一役買っていたようです。

現代におけるカトラリーのマナーの基本

洋食をいただく際に使うカトラリーですが、テーブルの上に用意されたそれらには役目が決まっています。
自分の前に置かれた皿の両サイドに並べられたカトラリーは、運ばれてくるメニューごとに、外側から順に使用していきます。
一品済むごとに、使用したカトラリーは皿の上で、右下に来るように揃えて置き、スタッフに下げてもらいます。
ナイフやフォーク、スプーンを使う順番を間違えてしまい、カトラリーが無くなってもスタッフが補充してくれるので心配はありません。
食事中に中座する必要がある場合は、お皿の上にカトラリーを「ハの字」にしておけば、料理が下げられてしまうことがありません。
カトラリーを使用する際は音をカチャカチャ立てないよう気を付け、落としてしまった場合は自分で拾わず、スタッフに回収してもらうのがマナーです。

カトラリーを使いこなして食事を楽しみましょう

食事のマナーを覚えることで、自分だけではなく、一緒にいる人も食事を楽しむことができます。
逆にこれに反すると、相手に不快感を与えかねません。
マナーが一体何のために確立されたのかを考えることで、身につき方も変わってくるのではないでしょうか。
単なる道具と思わず、その背景に注目して使ってみるのも面白いですね。